自然保護全国集会 IN石川 報告  平成30年7月8日(日)/9日(月)  
   
自然保護全国集会 報告
日時 平成30年7月8日(日)~9日(月)
会場 金沢・辰口温泉「まつさき」
2018年度の本部主催行事である自然保護全国集会は、石川支部主管で7月8日(日)に辰口温泉「まつさき」で総勢72名の参加を得て開催された。
当日は小松駅と空港に支部員を配置し、全国からの参加者のマイクロバス送迎に備えた。
しかし西日本を中心とした帯状前線による豪雨災害発生の影響を受けて、JR北陸線は敦賀~福井間で運休となった。
どうなる事かと気をもんだが、自家用車に切り替えたりして参加して下さり、心から感謝したい
 井出能美市長から歓迎の言葉をいただき、続いて樽矢石川支部長の挨拶、川口委員長から本部活動方針を説明。
更に各支部活動発表へと進んだ。
石川支部は安田自然保護委員から石川県では県内絶滅の花といわれる「カザグルマ」発見の経緯を説明、
天然記念物指定を目指して保全し、地域の宝として大切にしたいと語った。
基調講演は前白山自然保護センター所長の栂(トガ)典雅氏による「白山の自然と歴史・文化」と題した講演を1時間半に渡り、
プロジェクター投影で進行。白山を取り巻く動植物を含めた現状と課題を話され、
自然学的には未だ活火山であることの啓発も忘れず、また白山のブナ林は日本有数の広さと規模を有し、
「白山は水といのちの源 未来に引き継ぐ私たちの宝」であると締めくくられた。
 15分間の休息の後は3つの分科会に分かれた。第1分科会は栂典雅氏を座長に基調講演での内容をさらに深くディスカッション。
第2分科会は石川動物園園長の美馬秀夫氏が「トキとイヌワシ、ライチョウ~動物園ができること」の演題で講演された。
美馬園長は石川県で36年間に渡り自然保護行政一筋に歩んでこられた方で、動物への愛情と種の保全そして自然との共生について熱弁を振るわれ、質疑応答は各分科会のなかで最も長かった。
第3分科会は東邦大学理学部講師をされている下野綾子氏が「高山植物調査の基礎知識」と題して講演。
翌日のフィールドスタディーの際には、花の見方が変わるようなお話であった。 
アッという間の1時間の分科会は熱を帯び、次第にタイムテーブルが押してくる。皆さん長時間にも関わらず精力的に意見を交わし、最後に一堂に会して、各分科会の取り纏め報告をして、今年の自然保護全国集会を無事終えた。
 18時30分からは懇親会に移った。講演者の栂さん、美馬さんも参加していただき、樽矢支部長の歓迎挨拶、中川実行委員長の乾杯の音頭で始まり、参加者からはさすが老舗「まつさき」の料理は上品で美味しかったとの感想をいただいた。
差入れに頂戴したお酒も綺麗に二次会前には片付いてしまった。
 翌日は素晴らしい晴天に恵まれ、自由参加のフィールドスタディーは白山高山植物園にバスで向かった。
安田会員がバスからの眺めを一所懸命に説明、笑いを誘う。
到着後まず温床施設で白井解説員から白山高山植物園の設立趣意の説明を受け、その後育苗状況を見て回った。
そして西山駐車場でバスから降りると、残雪を残した白山が雄大に広がり参加者を喜ばせた。
最盛期は過ぎているものの、多くの花が咲き写真を撮る参加者の足も中々進まないが白井解説員が同行して解説し、皆熱心に聞いていた。
14時には小松駅に到着しなければならないので、ぎりぎりの時間帯で帰路に就くことができた。
2日間にわたる自然保護全国集会はこうして無事に終了することができました。
日・月の開催にも関わらず協力して頂いた会員・会友の方々には、心よりお礼申し上げます。
今までの支部独自に実施する事業との違いは、少なからず戸惑いや進行が見えにくく、苦労する面がありました。
しかし、参加した支部員にとって自然の大切さ、有難さ、守る意識の大切さを、改めて考える良い機会になったのではと思います。
                                  (文責、中川博人  写真:中川博人 堀 正春)
 本サイトに記載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します
 Copyright (C) 2014 Ishikawa Section of the Japanese Alpine Club. All Rights Reserved.