上高地山岳研究所 集会  平成29年8月5日~6日  
 8月5日(土曜)-6日(日曜)

8月5日、6日に上高地山研集会に参加した。
昨年は徳沢まで散策したが、今年は少しハードな山行を絡めてから上高地山岳研究所に入りたいと思っていた。
春先から計画を練り、新穂高~白出沢~奥穂高岳(ジャンダルム往復)~吊尾根~前穂高岳~岳沢~上高地山研を深夜発日帰りか途中でツェルトビバーク。
もしくは上高地~涸沢~北穂高岳(南陵テラスでツェルトビバーク)~涸沢岳まで主稜線縦走~ザイテングラード~涸沢(ツェルトビバーク)~上高地山研などのロングコースを考えていたが、計画書作成の直前になり、仕事の調整が付かず前日から休めそうに無いこと、大雨の影響で新穂高に通じる槍ヶ岳公園線で岩の崩落が発生し一週間ほど完全通行止め。
8月5日の時点でも夜22時から朝5時まで通行止めとなりロングコースを諦め無難なアプローチの平湯アカンダナから上高地にバスでアクセスすることにし、コースも大幅に見直し、明神から「ひょうたん池」の散策に切り換えて計画書を作成、Compassにて登山届けを提出した。
4日に仕事から帰宅後に準備、パッキングを済ませて車に積んで仮眠。
パッキング時点でヘルメットも必要かも、と、実はこれが後々の判断に影響することに。
8月5日は平湯アカンダナ4:50発の始発バスに乗り6時に上高地から行動開始のつもりで2時に金沢発を予定、しかし寝坊、起きたら3時でした、速攻で準備をして3時半過ぎに出発。
平湯アカンダナ6:20のバスに乗り1時間遅れの7時に上高地行動開始となった。
出遅れたが早朝でもあり観光客と一般登山者は少なく、また朝の気温も低く快適に歩けたのでコースタイム1時間のところ30分で明神に着き、おにぎりで朝食休憩とした。
天候も良く、青空の中、明神岳五峰と2,263m峰が仰ぎ見るように先鋭なピークを見せている。
その右手、長七ノ頭と東稜の間にコルが見える、そこが本日の目的地「ひょうたん池」。
休憩後、明神橋を渡るが橋からの明神岳五峰と2,263m峰はより一層威圧感が感じられ登攀意欲を掻き立てられる。
明神橋から上流へ、すぐに養魚場跡の入口となる、通行止めとなっているが脇から通る。
いよいよ殆ど人が入らないルートに入ることになる。
登山道として整備されていないのでルートファインディングに苦労するとの事前情報を得ていたが養魚場跡から、さぁ行こうと、早速と怪しげな一本橋、二つ目の橋は丸太が腐食しており乗ると折れそう、その丸太橋の先がいきなり腰ほどの熊笹に覆われルートが不明瞭、橋を渡ったところから踏み跡を確認しながら進むと三つ目の橋、この橋はしっかりしていたが渡ったところは相変わらずの熊笹、赤布も無く相変わらず踏み跡を確認しながらの登行となる。
しばらく登ると熊笹も少なくなり見通しも利くようになるころ、ようやく岩や木に赤ペンキ○や赤布を見つけルートから外れていないことを確認する。
しかしマーキングが少なく相変わらず踏み跡を確認しながら行く。木々も開けて来た頃に右手からの下宮谷川と合流する。
そこからは下宮谷川に降りたり、尾根に戻ったりを何回か繰り返すルートになっているが、ここもマーキングが殆ど無く、下宮谷川に降りるところ、尾根に戻るところが不明瞭で、自分は左手の尾根(下宮谷川の右岸)を意識しながら下宮谷川を登った。
赤布を持っていなかったので下宮谷川にあった流木を何本か並べて置いて帰りの自分の目印用とした。
ルートファインディングに苦労しながら一時間程登ると、下宮谷川から「ひょうたん池」への分岐となる。
ここで一本とり、ふと下宮谷川の上流を見ると明神岳五峰の南壁がドーンと鎮座しているのが目に入ってしまった。
うーむ、悩む、が、今日はヘルメットを持ってきている。
行けるところまで行こうと、「ひょうたん池」方向には進まず、そのまま下宮谷川を詰めることにした

水流があれば沢登り、水が流れていないのでRCCⅡグレードで1~2級のアプローチ、だが人が入っておらずガレ場と化しており蟻地獄のように足下から崩れてくる、その度に脚を使わされ体力を消耗する。
「ひょうたん池」へもバリエーションルートと言われる現在、下宮谷川を詰めるのは登山者の道を外れるのか?
「ひょうたん池」分岐からの下宮谷川の上流はマーキング類は一切無い。
五峰南壁に向かってひたすら登るだけである。
南壁に近づいてくると落石の音が木魂する、できるだけ南壁から離れて宮川尾根側を登る。
「ひょうたん池」分岐から登ること約一時間で、ほぼ南壁の基部に到着。
南壁初登ルートを初め各ルートへの取り付きのバンドが見える、ここからの南壁は覆い被ってくるようで登れと誘ってくる。
取り付きまで登りたいところであるが岩が脆く、帰りのクライムダウンも危険、ヘルメットは被っているが登攀用具は無い、残念ながら今日はここまで。

下宮谷川の下りは登りよりもより一層神経質になる、ガレ場の下りで一旦崩れると止まらない。
出来るだけ浮き石に乗らないように大きい岩を繋いで下る。
しかしその大きい岩自体も乗るとグラッと動く。
「ひょうたん池」分岐に下りホット一息、まだ時間は早いが下山する。
明神に下山後に穂高神社にお詣り、今日の無事を感謝して上高地へ。
今日は寝坊したが朝早くから行動したので眠く、小梨平キャンプ場のベンチで昼寝。
そろそろ良い時間なので山研に向かって歩いているとビジターセンター前でお仕事中の埴崎さんにお会いした。

小梨平キャンプ場の風呂が団体さんの予約で入れなくなる事などの情報を教えて頂きました。
今回、上高地山研集会に絡めて山行を行ったが、山研をベースにすると山行計画に余裕が出る。
上高地で安く泊まれる、バス時刻を気にしなくても良い、この二つは大きなメリットだと思う。
今後も山研を活用した山行をしたいと思う。
最後に、「ひょうたん池」に行くと提出した登山計画でしたが、計画と違う行動をしてしまいました、関係各位にお詫び致します。
                             (報告・写真 堀)

     集会参加者 中川 澤村 埴崎 村上 西嶋 東野 池本 樽矢 堀 町口 寺田 高畠 樽矢美代子 13名
 
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