山行報告 夏山登山 後立山連峰北部 朝日岳  平成29年7月15日~16日  
 7月15日(~16・17悪天断念)・場 所 朝日岳・(雪倉岳・白馬岳)
               ・参加者 堀(CL) 中川 藤江  安田 池本
「後立山初夏の稜線をテント泊縦走」の心躍る話に手を挙げた。朝日岳~白馬岳おまけ付きで風吹大池周回縦走のロングコースだ。
 15(土) 03:20山側環状観法寺Pより、堀さんの車に5人同乗して出発。
車中でリーダーより、大気不安定で天候悪化による縦走コース変更の可能性大との予想、一部メンバーより寝不足の体調を申告する話が出る。
06:00蓮華温泉P着、わずかに残る空きスペースに滑り込み早朝3時の集合が正解であったと一同納得。
06:30出発、兵馬の平湿原では、湿原植物の群落が一面を覆うが目を奪う花を見ることはない。
07:35暑さの中に涼風を受け1本立てる、瀬戸川出合の短橋を過ぎ、09:15白高地沢橋(L=45.0m、朝日岳6.1㎞⇔蓮華4.8)の休憩地に着く。
ここまで2.45時間費やすも高度は全く稼げない。
40代歩いた時には、瀬戸川橋も白高地沢橋も仮設板橋だったように記憶するが、今では立派な鉄橋が掛かっている。
カモシカ坂の上りにかかるころ、メンバーの一人が脚の張りを口にした。
とにかく熱い、湿度も高く無風状態が続く、ペース落とし足を進める。
11:40花園三角点で昼食、座ったお尻がなかなか上がらない、1時間の大休憩。
五輪尾根の登山道には、高山植物保全の為朝日岳に向かって木道が延々と続く、コンクリートの型枠を木で覆う堅牢な造りだ。
五輪高原で一輪のニッコウキスゲが疲れを癒してくれた。13:50五輪の森、大輪の衣笠草の一群にFさんと嘆声を上げる。
花の癒しを感じるのもこの辺りまでで、白高地を過ぎるころから残雪の張り付く雪田歩きが続く。
今年は何処の山も残雪が多いと聞いていたが、この状態が続けば明日の雪倉を過ぎるまでの稜線歩き、アップダウンはかなりのものだろう。
自分の身体はそんな事を考える以前の問題で、千代の吹上を超えるあたりから疲労と眠気が差し、足は遅々として進まなくなった。
朝日岳山頂に全員が立つのを確認して、堀Ⅼ「テン場取るのに先行きます」と走る。
18:00朝日小屋でテン場申し込みをすると、小屋の女将さんから「こんな時間に入るなんて・・」と、烈火の怒りを頂いたとは楽しい宴の酒の肴、堀さんにはケツ持ちから、間尺に合わぬ叱られ役まで受け持っていただき只々感謝。
遭対パトロールの巡回で明日の天候悪化は確実、残雪状態から水平道~雪倉間の閉鎖が小屋に入った。
来た道を戻るようにとの通達に明日の動きは決まった。
支部装備品として購入した4人用新品テントの初使用は、5人車座になっての夕餉に大活躍、疲れた身体も鶏鍋と一献の酒の酔いにホッと息をついたところ、またまた女将さんの登場「時間を考えて下さい、明日の出発時間を小屋に知らせるように・・」
 一夜明け、03:00起床。
朝食と、2張のテントをたたみ05:20朝日小屋テント場を後にする。
ぐっすり眠って疲れも取れたか、足取り軽く歩き出したage70、顔を見合わせ睡眠不足を経験でカバーできる歳じゃないな、それでも1年に1回位は長いのをやりたい、何をするにも余裕を持って・・。06:10朝日岳山頂着、突風混じりの風が天候の急変を告げる。
千代の吹上を過ぎるまでは何とか大荒れにならないようにとの思いが通じたか、雪壁下りは強風も吹かず通過、ピッケルを手にするだけで身が引き締まる、この楽しみくらいは味わいたかった。
五輪の森から待っていたように突風と土砂降りの雨が断続的に降り続く、雪倉方面分岐の閉鎖は正しい判断だ。
濡れるに任せ下り続ける、カモシカ坂は下りがキツイと慎重に足を運ぶ。
12:00ようやく白高地沢出合に着いた、一息つく。
これから2時間余掛けてのだらだらした登りが続く、疲れた足にはキツイ上りだ。
14:30蓮華温泉に着いた、しかしこんなにきつい道だったかとNさんに話しかけると、一言歳だの答え。
風呂に入り人心地がついたが、つくづく今回の山行を終えて、仲間とは有難いものだと実感した。
助け助けられ、声掛けになえそうな心を奮い立たせる思いを経たことは、今後の石川支部での活動をもう一度見つめ直す良い機会だった。
自分のペースを捨て、最後までメンバーに気を配り続けた寡黙な堀リーダーには、往復の運転をお任せした事を合わせて感謝申し上げます。
                          (文 池本・写真 堀)
 
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