山行報告 雪山登山  平成29年1月28日  
・コース 富士写ヶ岳 我谷コース
・メンバー 大庭・大幡・織田・田井・八十嶋   会員外参加:Tさん・Kさん(八十嶋知人)


 富士写ヶ岳は私たちで昨年方位盤の設置に尽力した山であり、思い入れの強い山といえる。
私は昨年だけで10回近く登ったが、それでもまだまだ甘いほうで、事務局を務めた大庭さんに言わせれば「私なんか30回ですよ」とのこと。
富士写ヶ岳におわす山の神様も、我々の顔はさすがにそろそろ見飽きているころだと思う。
それだけ登り慣れた山でも、雪が降れば又違った風景が楽しめた。
 この日は快晴。雨が降った後で、雪は良く締まっていた。
しかも、たまの晴れ間とあって登山者も多く、トレースもばっちりだ。
「こりゃあ史上まれに見る楽な雪山になりそうだ・・・」という予感がした。
積雪は登山口で20~30センチといったところ。トレースをたどればかんじきもいらず、あっという間に標高を稼げた。
今回は久しぶりに一緒に山に登ったメンバーが多く、和気藹々と無駄口をたたきながら登った。
眺望はというと、標高700m前後まであがればだんだんと良くなるが、このコースは山頂に行くまで白山が見えない。
そこがまた、思わせぶりで良いところだ。
 山頂に近付くと、葉が落ちて明るいブナの森。広々とした無垢の雪原と、紺碧の空。表面が凍った雪を踏み汗をかく。
「ああ、雪山に来ることができた」という充実感がある。そして、山頂に至れば目の前に広がる、石川・富山・福井の国境にまたがる嶺々の大パノラマ。
特に白山は、真っ白に輝いている。良い山だ・・・。それ以外の言葉は無かった。
 大事な方位盤は、さすがに雪に埋もれて姿が見えなかった。山頂の積雪はおそらく1.5m近く、方位盤の高さは80センチだから見えるわけがない。
持参したスコップで、根性で掘り出そうかとも思ったが、勢いあまって新品キラキラの銅板に傷がつくのも嫌なのでやめた。
大パノラマを前に「あの山はなんだ、この山はどこだ」と皆で探して遊んだが、
いよいよ分からないとなると「こういうときこそ方位盤が見えればいいのに」と拗ねてみたりもした。
がんばって設置した方位盤、やはりそれだけの思いがこもった品があると、山に登るのも楽しいものである。
山頂を去る前、方位盤の真上あたりに皆で立ち、記念写真を撮った。春になったら、またその姿を見たいものだ。
                                  文・写真 八十嶋
 
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